就活
教育関係の仕事をしていて就活の指導をすることがある。そこで次のようなことがあった。
ある会社を就活している生徒に紹介をした。そこに、知り合いがいたので面接ぐらいまではいけるのではないかと思われたからである。しかし、紹介した人から次のように言われた。
会社の紹介のところに「社員は全員が早慶京大しかいません」となってますけど。これって、そこ以外だと無理ですよね?はいったとしても、続かないですよね?
といわれて、慌てて知人に確認をした。そうしたら、「早慶上智大以上でないと正社員にはなれません」とのことでした。アルバイトなら適正があればなれます、とのことでした。
いまどきびっくり
よくあることである。しかし、教育関係の普通では困難な生徒を対象にしている塾を経営している会社でこのようなことがあるなんてと思った。
確かに、仕事上で学歴が必要になることは多い。
しかし、今回はそこまで狭める必要がないはずである。相手も見ないで学歴だけで差別的な扱いをしている。就活者に対して、優位に立ち他と考えているのがよくわかる。
塾であれば、学歴はある程度は必要である。それが態度に出てしまうことがある。教育者としてはあまりむかない。ましてや、修学が困難な生徒のための塾であればなおさらではないでしょうか。
ちなみに、私の知人は早稲田大学出身であった。
##染みついた差別意識
この意識は、たぶん変えられない。受験戦争を生き抜いてきた人には染みついている。そんな人が、教育者であればそれが知らず知らずの間に出てしまうものである。本人の意識とは別に、心底わいてくるものである。
昔のスエーデンの話
教育ではないが、40年前にスエーデンの車いすの販売を日本で行いたいという人と、障害者に対する偏見について話しを聞いたことがある。
40年前に日本では、明確に障害者に対して偏見があった。スエーデンでも昔はあったが、それを是正するには教育しかないということで、今生まれた子供に偏見のないような教育を受けさせた。20年前にすでに生まれていた人たちには、そのときまでの教育ではどうしても心の底にある偏見をすべて消すことはできない。本人が、頭でわかっていもどうしようもないんだと。だから、今生まれてくる子供から教育をし直せば、その子供たちは偏見がなくなるはずだと信じて20年前に教育を変えたのである。ということであった。
ヨーロッパの教育は、いまでも20年かけて改革をしていくということを聞いたことがあるが、この意味が少しはわかったような気がした。