進学時のミスマッチ
高校を卒業して情報系の学科に進んだ学生で、こんなはずではなかったという「ミスマッチ」を感じる学生が、ほかの学科より多いといわれている。たしかなエビデンスがあるわけではないが、現場にいてもそのように感じる。
そのわけを現場の生徒を見ていて感じたことをまとめてみた。
情報系の仕事をわかっていない
情報の仕事にどんなものがあるのが、実際にどんなことをやっているのかわかっている学生が少ない。ほとんどの学生は、プログラムを作ること以外のイメージがない。
プログラムを作る仕事についても、作るものの要求仕様書、プログラムの仕様書、テスト仕様書、メンテナンスなどがある。もちろんプログラムを作成してデバッグもある。
プログラムを作成する以外にも、少なくともインターネットがなければもうどうしようもない世界ですからネットワークは必ず学ぶ必要がある。ウェッブやクラウドを学ぶにはサーバの知識もいる。パソコンだけでなくスマフォなどの知識もいる。また、アプリケーションでもその使っている分野ごとの知識がいる。学校では、浅く広く学ぶことになる。学生にしてみれば、プログラムの講義以外に、何でこんなことも学ぶのかになる。
何を学ぶのかおどろく
とにかく学ぶことが多い。その一つ一つをとっても実際には奥が深い。ネットワークだけでも、その分野で食べていくには相当勉強が必要である。また、その分野だけで十分に食べていける。
ということは、そのとこが学生にとっての救いになることもある。プログラムができない学生にとっては、別の道に行ける。いろいろな分野で自分に合ったものを選べる。しかし、プログラムで挫折した学生の多くは、そこであきらめてしまうようである。
資格試験
情報の仕事に資格はいらない。何も免許など持っていなくても仕事はできる。この機器を使うには、この免許が必要というものはほとんどない。
が、学生にとってみれば、そうもいかない。授業の多くは資格試験対策である。入門者向けとしたら、ITパスポートの試験がある。試験は、100問が出題される。半分はコンピュータの知識であるが、半分は経営と戦略である。簿記の知識も出る。いろいろな分野の知識を試されるのである。すべての資格試験がそうであるとは言わないが、国家資格の試験の多くは、実際の現場での利用を考えた試験となっているので、学生には吉備石井かもしれない。
ちなみに、多くのほかの試験と同じように、コンピュータによる試験が多くなってきている。である。ペーパーによる筆記ではない。試験会場に行くと、パーティションなどで区切られた場所に通され、そこにはパソコンの画面とキーボートとマウスとメモ用紙と筆記用具が置いてある。試験は、パソコンで行う。つまり、予約していけばだいたいいつでも受けられるのである。さきほどのITパスポートもそうである。
ITは、いまやどこでも使われている。どんなところで使われているか考えると、とんでもなく世界が広がる。ということは、その分野のこともある程度学ぶことが必要である。
プログラムに対する意識が少ない
小さいことから、ゲームに慣れ親しみ、スマフォで当たり前のようにインターネットにかかわっている現在の学生からとってみれば、コンピュータは当たり前である。
が、それは使うほうの話である。ゲームに慣れ親しみ、いつでも簡単に使えるということは、わりと自分もできるのではないかと感じるようである。
youbuteに誰でも簡単に動画はアップできる。youtuberなんて、自分も動画はすぐに配信できるので、慣れると思ってしまう。ゲームの世界もそうである。ベットどこかで書くつもりですが、ゲームプログラムはしごとのなかでもむつかしい分野である。
また、プログラムはきちっと教えたらだれでもできるといわれているが、私はそうは思わない。人は得手不得手がある。きちっと教えるという意味にもよるが、向き不向きがそうとある分野だと思っている。これについては、別のところで書くつもりである。
業界のイメージがわるい
3Kの分野だといわれている。40年ぐらい前は、派遣での仕事のブラックの筆頭であった。いまも、ある程度そういわれている。
たしかに、日本ではソフトウェアで大きな財産を得ることは少ない。メーカさんの下請け的なことが多い。
そのためか、小学校から大学まである学校で、高校からエレベータで大学に入れる、いわゆる付属の学校の場合に、全部ではないが成績順に学部が選べるようである。だいたいが、情報系の学部は最後まで余るようである。つまり、行くところがないので、情報でもという学生も少なからずいるようである。
わたしは、今の仕事をするようになって、もう一度勉強をしっかりしようと思って、放送大学の大学院の修士課程にいった。一応終了している。そのときに、情報の分野だけ、定員割れしていた。やっぱ人気ないんだと実感した。