医師がチョコレートが健康にいい理由を説明する #2

in japanese •  7 years ago  (edited)

こんにちは!医師のizuruです。
前回に引き続きチョコレートの健康効果についてご説明していきます。

今回はチョコレートの成分を詳しく見ていきたいと思います!

チョコレートの成分

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チョコレートの効果を理解するためにも、チョコレートに含まれている成分をみてみましょう!
少し専門的だと思われるところは飛ばしてしまっても構いません!

脂肪

ダークチョコレートにおいてみられる主な脂肪成分は、オレイン酸(約33%)、パルミチン酸(約25%)、ステアリン酸(約33%)を含むカカオバターです。*2, *3

オレイン酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれるものの1つで、脂質値に対して良い影響を与えることが報告されています。*4

対して、パルミチン酸やステアリン酸は、飽和脂肪酸と呼ばれるものの1つで、総コレステロール値や悪玉コレステロールを上昇させることが報告されています。*5

ただし、飽和脂肪酸は、脂質値を上昇させるものもあれば(*6, 7)、影響を与えないと考えられているものもあります。8

理由については、カカオに含まれる飽和脂肪酸と動物由来の飽和脂肪酸の性質が異なるためだとか、飽和脂肪酸の吸収率が小さいためなどといわれていますが(*9, 10)、これらを否定する研究もあり(11, *12)、あくまで仮説の域を出ていません。

抗酸化物質

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カカオにはフラボノイド、エピカテキン、カテキン、およびプロシアニジンといった抗酸化物質が高濃度で含まれています。*13

抗酸化物質とは、酸素が関与する有害な反応を除去または減弱する作用を有している物質のことで、ものすごく簡単に言えば、体に悪い反応を止めてくれる物質ということです。

特に、カカオには、食品の中で最高レベルのフラボノイドを含んでおり、紅茶やワインよりも優れています。*14

チョコレートの中でも、ダークチョコレートが体にいい理由の1つに、ダークチョコレートは、ミルクチョコレートに比べて、かなり多くのフラボノイドを含んでいることが挙げられます。*15

加えて、フラボノイドの生物学的な効果は、ミルクチョコレート中のミルクがフラボノイドの腸内吸収を遅くする可能性があるため、ダークチョコレートにおいてより大きくなり得ます。*16

さらに、チョコレートはプロシアニジンが豊富なリンゴに匹敵するレベルで、プロシアニジンも豊富です。*17

窒素化合物

カカオに含まれる窒素化合物には、タンパク質、メチルキサンチン、テオブロミン、カフェインがあります。

これらの窒素化合物は、中枢神経系の興奮作用、利尿作用、および平滑筋の弛緩作用をもたらします。*18

ミネラルなど

カカオマスには、チョコレートにおける健康上の利点を高めるカリウム、リン、銅、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも含まれています。*4, *19

チョコレートには、先ほど述べたように、覚醒作用をもつカフェインとテオブロミンがあるにも関わらず、ストレス減少作用をもつ吉草酸も含まれています。*20

まとめ

チョコレートにはこのような成分が含まれていて、多くの効果が期待できます。
特にダークチョコレートですね。
具体的にはカカオ70%以上くらいのダークチョコレートがいいのではないでしょうか!

また次の投稿では、具体的な体への効果を見ていきたいと思います!
ぜひupvote、Resteemお願いします!

参考文献
2)[Nutr Today. 1993; 28: 30-8]- Kris Etherton PM, Mustad V, Derr J.
3)USA National Nutrient Database.
4)[Chicago, Ill: American Dietetic Association Foundation. 2000]- American Dietetic Association.
5)[J Am Coll Nutr. 2001; 20: 5-19]-Hu FB, Manson JE, Willett WC.
6)[Am J Clin Nutr. 2003; 77: 1146-55]- Mensink RP, Zock PL, Kester AD, Katan MB.
7)[Am J Clin Nutr. 1997; 65(Suppl): 1628S-44S]- Kris-Etherton PM, Yu S.
8)[Am J Clin Nutr. 2005; 82: 510-6]- Thijssen MA, Mensink RP.
9)[Br J Nutr. 1999; 81: 37-43]- Jones AE, Stolinski M, Smith RD, Murphy JL, Wootton SA.
10)[J Nutr. 2003; 133: 4129-34]- Baer DJ, Judd JT, Kris-Etherton PM, Zhao G, Emken EA.
11)[J Nutr. 1989; 119: 1556-60]- Bonanome A, Grundy SM.
12)[Biochim Biophys Acta. 1993; 1170: 173-81]- Emken EA, Adlof RO, Rohwedder WK, Gulley RM.
13)[Biosci Biotechnol Biochem. 2000; 64: 2581-7]- Natsume M, Osakabe N, Yamagishi M, et al.
14)[J Agric Food Chem. 2003; 51: 7292-5]- Lee KW, Kim YJ, Lee HJ, Lee CY.
15)[J Agric Food Chem. 1999; 47: 4821-4]- Vinson JA, Proch J, Zubik L.
16)[Nature. 2003; 424: 1013]-Serafini M, Bugianesi R, Maiani G, Valtuena S, De Santis S, Crozier A.
17)[J Nutr. 2000; 130(8SSuppl): 2086S-92S]- Hammerstone JF, Lazarus SA, Schmitz HH.
18)[Neth J Med. 2013; 71(2): 63-8]-Latif R.
19)[Thomas Dunne Books/St. Martin’s Press. 2003; 39-52]-Ashton J, Ashton S.
20)[Thomas Dunne Books/St. Martin’s Press. 2003; 26-38]-Ashton J, Ashton S.

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凄く良くまとまっていて勉強になります!
カカオの産地によっても、各種成分が微妙に変わってくるみたいですね!!

ありがとうございます!
そうなんですね!たしかに産地によって味も全然違いますもんねー。
最近ブラックチョコレートにめちゃハマってます

分野は変わりますが…
最新のコーヒーの研究結果によると、産地によってpH、脂質含有量、酸味成分等が変わり、その結果、風味の違いに繋がるみたいです。

そうなんですねー!
Yotaroさんとてもお詳しいですね!

赤ワインよりも抗酸化物質多いんですね。
ビターチョコ選んで食べるようにします^^

ビターチョコおすすめですよ!
ワインについても面白い研究があるので、近いうちにご紹介したいです(^^)

ヨコから失礼しますw
ワイン、気になります〜。楽しみにしてます^^

はい!みなさん気になると思いますので!

ワインよりも紅茶よりも。そしてリンゴに匹敵する。何て凄いワードでしょう!日頃滅多にチョコは食べないのですが、明日は70%のダークチョコを買います!で、Resteemしますね。

Resteemありがとうございますー!
はい、体にいい成分が多く含まれていて、おすすめです!ぜひ!

チョコレートにはカテキンが含まれているんですね。お茶と共通点ありますね。