このお話は、、、
息子誕生秘話
息子誕生秘話=第2話=
のつづきです。
…とりあえず、、、
息子とわたしと看護師さんを乗せた病院車は、
出産病棟から本館に向かっていると思われる。
どこに連れて行かれて何をするのかもよくわかっていない私。
息子をじっと眺めながら、
異国の看護師さんともタイ語でしばし会話する。
看護師『どこの方?』
わたし『日本です^^』
看護師『タイ語上手ねぇ』
わたし『もう10年以上住んでますから^^』
という、まぁワタシ的には定番会話。
頭で考えるまでもなく、言葉が口からするりと出てくる会話パターン。
ほどなく、病院車は本館の表玄関前にびしっと停車する。
いまわたしにできることは、、、ついていくことだけ。
車の運転手さんが、息子が入ったケースを押し、
そのすぐ後ろに看護師さん、わたしと続く感じで病院に突入。
エレベーターに乗って上の階へ。
そのエレベーターの扉が開いたところで驚きの光景。
すでに消灯されているのだが、
その薄暗い中に、無数の人が!!
…思い思いの格好で寝ている。
この人たちはいったい???
が、そんな疑問を解消する欲求より、
いまは息子と、まだ手術室からでてきていない嫁のことで頭はいっぱい。
その無数の人の合間を奥へと進んでいく。
突き当りに明かりのついた部屋が。
おそらく新生児はみなまずここに運ばれてくるのだろう、、、
ということは扉を開けて中に入ってわかった。
手前の広いスペースの壁際に、
ずらずらーっと息子が入っているのと同じようなケースが並んでいる。
ある子は授乳されていたり、お母さんに抱っこされていたり、
そしてさらに奥に、ガラス張りだが、さらに隔離されたスペースが。
息子のケースはその奥へと運ばれていく。
そして、手際よくいろいろな機器の設置とかなんだかんだと進められていく。
わたしは後ろでそれを眺めているだけ。
『パパさーん』
最初自分が呼ばれているのかわからなかった。
2~3度目かに、ん?おれ???と思ってそっちを振り返ってみると、
そうだと言わんばかりに手招きされる。
…そうか、パパか^^
そんな思いに、さらに肝が座ったというか、気が大きくなったというか。。
わたしを呼んださっきとは別の看護師さんが、
書類を見せながら早口タイ語でまくしたててくる。
さっきの看護師『この人タイ人じゃないよ。。』
眼の前の看護師『え!?あ。。んー、きゃきゃCan you speak English^^;??』
さっきの看護師『タイ語しゃべれるけどね( ̄ー ̄)』
眼の前の看護師『(・_・;)』
…さっきの看護師が先輩なんだろう。
早口のタイ語が多少ゆっくりになって、
チェック入れたところにサインをと。
めちゃくちゃちっちゃな字でいろいろごちゃごちゃ書かれていて
まったく読む気がしない。。。
しかもチェックは数十箇所あるし。。。
数十箇所に、日本語で『三田』とサインしまくった。
それが終わると、さっきの看護師が再び、
さっきの看護師『さぁ、奥さん迎えにいくよ』
お・と・こ・ま・え♡
乗ってきた車に再び乗り込んで、
嫁が戦ってる?戦場?、
出産病棟の手術室前まで再び!
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