ネットニュースを見ていたら、DIAMOND onlineの記事で「人はなぜ、バブルで散々な目に遭ってもまたすぐ新たなバブルに踊ってしまうのか?」言うのがありました。
今、私の手元に「解毒剤」と言う中々ナイスなタイトルの本があります。
図書館をぶらついていたときにフッと手にした本で、内容はポジティブシンキングの害悪を説いた本と言う、一部の人たちからにらまれそうな物です。
しかし、ここにバブルを引き起こす人間心理があることにこの記事を読みながら気が付いたので、そのことについて書きたいと思います。
…と言っても、まともに書くと長くなりそうなので例え話で書いてみると、リスがドングリをため込む話がよさそうかな。
リスが冬に向けてドングリをため込むのですが、どれぐらい蓄えればいいのかが問題になります。
数が少なければ冬を越せないし、数が多ければ無駄になってしまう。
そこで、どれぐらいのドングリを蓄えるか決めたとします。 目標を定めたという事です。
…ところが、ドングリを集めているうちに、色々と不安になる情報が集まってきます。
例えば、今年の冬はこれまでよりも長く厳しいとか、なんだか今年はドングリの数が少ないようだとか。
ここで、それらの情報に対して考えることが出来ればいいのですが、この不安の度合いが大きすぎると一種のパニックになってしまい、手っ取り早く不安を打ち消すために、最初に立てた目標を妄信するようになります。
いや、それ以上に目標数値を大きくしようとするかもしれません。 これが、いわゆるバブルの始まり。
ところが、目標数値自体が不安を打ち消すための現実的でない数値なので、心の片隅のどこかから「そんなの無理じゃない…。必要ないんじゃない…」と言うささやきが聞こえるのですが、不安を感じないようにするため無視をし続けます。 そうすると…
パターンとして、冬になって気が付いたら過剰なドングリを抱えて、なんでこんなにため込んだんだと我にかえって悔やむ。
ドングリを溜め込んでいるうちに、過労で死んでしまった。
心の片隅のささやきが巨大化し、身体に強制的にブレーキを掛けて、気が付いたらドングリを集めに行こうとしても、身体が動かなくなる。
最後のは、自分が引きこもる原因になったので、書いてみたのですが…。
…こんな感じでしょうか。 こんな感じで、バブルは崩壊していきます。
目標自体が不安を解消するために立てるのですが、時間経過とともに新しい不安やらが湧き起こってくるわけです。
本来は、それに向き合って方針転換や目標値の変更すればいいのですが、不安に駆られてしまうと目標にすがりつこうとしてしまうと言うわけです。
それが、過剰な在庫や資本を溜め込む原因になり、それが必要でないことに気づかされることでバブルは崩壊するわけで、修正ロジスティック曲線の安定期に下がる部分はこの過剰な部分の調整と言うわけです。
と、すると、安定期にどれぐらい落ち込むかは、成長期の山の高さと共にどれぐらいの不安を隠そうとしているかが影響してきます。
これは、企業の成長だけでなく国の成長、果ては家族や個人などにも言えることです。
さて、先の「解毒剤」には実はどん底から成功した人物の事も書かれています。
その中でも私の目についたのは、「ハリーポッター」シリーズの作者、J・K・ローリングの演説内容です。
彼女が、2008年のハーバード大学で「失敗」について、スピーチを行っているのですが、その中で失敗が自分から重要でないものを奪い取ってしまったと語っています。
実は、これと同じようなことを多くの成功者たちが語っています。
なぜかうまくいかなくなり、人生が底なしのどん底に落ちていっていく時、ありとあらゆるものがはぎ取られていく。
そんな中で、自分とはなにか? 自分は何を恐れているのかに向き合わされる、と。
その過程で、自分が飛躍するヒントをつかむとも。
そういう観点で見ると、バブルの崩壊と言うのは嫌な事の代名詞のように語られますが、そこから得られる物は大切な物なのかもしれないと思います。
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