ナンパコンサルに50万払った話①

in nanpa •  4 years ago 

大学生の頃にめちゃめちゃ可愛い彼女ができた。
けどSEXすることができなかった。
その後別れた。

25才まで自分は素人童貞。
それがすごいコンプレックスだった。

大学院にいるときだろうか。
Twitterに「ナンパ界隈」があることを知った。
マッチングアプリの成果、道端での声かけの成果、それぞれの攻略法などの情報を公開していた。
有料のものもあった。

そこでは会ったその日に女の子を口説きSEXをする人々で溢れていた。
純粋培養装置で育てられた自分には驚愕だった。

自分はそれにのめり込んだ。
あらゆるアカウントをフォローして情報をインプットした。

大学院を卒業してから僕はフリーターになった。
時間は腐るほどあった。

マッチングアプリをダウンロードし、「ナンパ界隈」で購入したnoteを参考にして、自分のプロフィールを作り込んだ。

やっと一人とマッチングして、夜の新宿でお酒を飲んだ。
今までinputしてきた情報をもとに会話を続け、二軒目を出たあとに手を繋いでみた。
嫌がられる様子はなかった。

そのままホテルに行き、童貞を卒業した。
感動した。

けど少し立つと我に返った。
なにかが足りなかった。
全然満足していない自分がそこにいた。

プライドだけはやけに高かった。
実力は無い。

自分はもう一度Twitterを漁ることにした。
当時2000人近くをフォローしていたが、そこから一気に5人くらいまで絞り込んだ。

その中のひとりのブログに飛んでみると、近々単発コンサルをするとのことだった。
一時間で一万円。

怖かったが申し込んだ。
場所は六本木だった。
余計に怖かった。

ついてみるといかつい兄ちゃんが一人待っていた。
その人は自分と同じ講習を受ける側。
あとからやってきたもうひとりもいかつめだった。
講習を受けるのは計3人。
完全に自分だけひよっこ、明らかに弱そうだった。

しばらくするとオーラのある人がやってきた。
講師だ。
この人はいかついっちゃいかついけど、それだけじゃない。
うまく言葉にできないけど、普通じゃないことはわかった。
実力があることはわかった。
自分が普段会わないような美女と遊んでいることはわかった。

それぞれの自己紹介のあと、その人は僕たちに問いかけた。
「なにか質問はありますか?」

正直何を聞いたか覚えていない。
なぜなら何を聞いても「全部です、全部変えなきゃだめです」と返されるからだ。

「服ってこうした方がいいですかね?」
「全部変えてください。」

「アプリってこうした方がいいですかね?」
「全部変えてください。」

こんな感じ。
正直会話になってないけど、その人が言うことも最もだと思った。
今までの価値観でモテてこなかったのだから、全部変えないとだめなのだ。

単発講習はそんな感じで終わった。
まあけど、正直ここにはあんまり意味はないのだ。
みんなそれはわかって来ている。

その後の長期講習に興味があるのだ。
単発講習に来た人間には長期講習の存在が教えられる。
自分はここに来る以前にも何人か講師の人にあったのでわかっていたし、他の二人もわかっていた。

一旦解散したあとに、それぞれ個別に長期講習がなされる。

僕は講習を受けに来た一人と近くのカフェで時間を潰していた。

自分は最後の番だった。

オーラのある人のもとにいき、長期講習の説明を受けた。
伝えられたのは「3ヶ月で50万円」ということだけだった。
それ以外は何も話してくれなかった。

怖かった。
そんな大金を初めて会った人に渡すのは怖かった。
騙されてるんじゃないかと思った。

けど僕は覚悟を決めていた。
どうしても変わりたかった。
25歳まで素人童貞で、大学でも大学院でも可愛い女の子に相手にされなかったコンプレックスを払拭したかった。

申し込んだ。

その日の夜、講師の人からLINEがきた。

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