働く人のためのSNS「脈脈」が15日に発表した「人材誘致力報告2020」によると、各業界の幸福感を調査したところ、最も幸福感が高かった業界は教育、耐久消費財、医療で、最も低かった業界は情報技術(IT)・インターネット、貿易・小売、農林牧漁業だったという。
仕事全体の幸福感についてたずねると、最も高かった業界は教育・研修・科学研究、耐久消費財、医療・医薬品だった。反対に最も低かった業界は貿易・卸売・小売、農林牧漁業、IT/インターネットだった。同報告は、エンプロイヤーブランド(勤務先としての企業の魅力)を構築するにはまず「人心」をつかむところから始めるべきで、職場で働く人々の個人としてのキャリア発展や働くことの意義に対する問いかけに答える必要があると提案した。
幸福感が低いIT・インターネット業界だが、給与が高いため、今も人材の流入が最も多い業界となっている。一方、生活サービス業、製造業、金融業などは人材の流出が目立つ。注目すべき点は、デジタル経済が人材の枠を超えた移動・転職を促す重要な力になっていることだ。また、ネット業界関係者の転職先としては、一番目が金融業、二番目は教育・研修と文化・メディア業界となっている。
人材を最も強く誘致している都市は一体どこだろうか。同報告によると、深セン市は20年に人材の純流入数が最も多かった都市で、杭州がその後に続き、3位から5位は上海、成都、北京だった。トップ10には長沙や貴陽など複数の中部・西部の都市が入り、二線都市が新たなチャンスを迎えつつあることがわかる。
人材が最も不足しているのはどの業界だろうか。人材不足ランキングのトップ10には、アルゴリズム、クラウドコンピューティングなどのハイレベルの人材が並んだ。オーディオ・動画・娯楽産業の発展により画像・オーディオ・動画の開発者が引く手あまたになっている一方、20年は配信パーソナリティと授業外の学習指導者の人材不足が特に際立ち、ライブ配信とオンライン教育の発展を強く印象づける結果となった。
また、デジタル経済がデジタル化に対応できる人材の成長と流動を促した。アーキテクチャ、アルゴリズム、データなど先端の研究開発職だけでなく、リスク管理やデータセキュリティなどに関わる職種も、デジタル化人材にとって高い収入を得られる職種になった。IT・インターネット業界以外では、金融、通信・電子、製造・教育などの業界に従事するデジタル化人材が最も多く、こうした業界がデジタル経済を最も積極的に活用していることがわかる。