忘年会幹事から仕事の進め方を見つめなおす

in japanese •  7 years ago 

11月も半ばに差し掛かり、2017年も残す所1.5ヶ月となりました。
日本企業では忘年会の準備が忙しくなってくる季節と思います。
幹事をご担当されている方(特に若手の方)、ご苦労さまでございます。
仕事柄、働き方改革(正しくは"仕事の進め方"改革)に携わっているので、
忘年会開催に向けた段取り・準備から、日ごろの仕事の進め方を見つめ直してみようと思います。
まず、私が過去にやらかした忘年会準備での『失敗例』から紹介します。


<初めての忘年会>
社会人1年目のこの時期、部長から「部の忘年会の幹事、よろしく」と指示を受けた私。
幹事業務を完全に舐めていた当時の私の考えは、
「学生時代に飲み会の幹事を何回か経験してるから楽勝。
 人数確認して会場予約して、あとは場の雰囲気で盛り上がるだろうな」
と、今までの『個人の経験』に基づき楽観的に捉えていました。
早速、部長の予定を確認し開催日を確定し、会場を仮予約。
そして部員(50名くらい)への出欠確認メールを送付しました。
「順調♪順調♪」と内心思っていた矢先、職場の先輩が焦り気味の表情で私の元へ、、、
先輩から指摘された点はざっと下記の通り。
・開催日確定してるけど主賓は誰?部長はもちろん、年末には異動者や昇進者もいるよ
            Σ(゚д゚;)
・お店も仮予約しているみたいだけど、会場の広さ、配席、機器(スライドなど)の確認はできてる?
            Σ(゚д゚;) !?
・会費の回収の仕方とか細かいところも考えてる?
            Σ(゚д゚;) !?!?
・そもそも忘年会のプログラム(段取り)はちゃんと考えてるの?
            Σ(゚д゚;) !?!?!?
もう全てが適当で、何にも考えていませんでした。。。
幹事を任された時点で、全てを一任していると勘違いした私(いま考えると恐ろしい程愚か・・・)。
いま思うと社会人1年目として明確に個人に割り当てられた業務はこれが初めてで、
仕事の進め方を身に着ける為の大きな経験になったと思います。(それまでは研修続きでした)


では、どのようにその年の忘年会を立て直したか、です。
先輩と次のように段取りを組み直し、何とか当日を迎えることができました。


<忘年会の立直し計画!>
1.忘年会のあるべき姿を考える。
 まず本プロジェクト(←笑)のゴールである、忘年会が完了した時に「どうなっているべきか」から考えました。
 職場にも寄りけりと思いますが、私の所属していた職場では年末に転出者(異動者)が発生し、年明けの昇進者が確定しています。
 なので、主賓と主旨を下記のように分類しました。
 ・全体 ⇒「1年間の苦労を忘れる」という本来の忘年会
 ・転出者⇒送別会
 ・昇進者⇒昇進祝い
2.あるべき姿に向け、当日のプログラムを考える。
 次に1で設定したあるべき姿に対し、当日のプログラムを考えました。
 (1)忘年会:
   ・部長から部員に対する1年間労いの言葉をいただくと共に、翌年に向けた意気込みをいただく
   ・歓談時間
   ・1年間の出来事を振り返る為、スライドショーを作成する
   ・配属したての新入社員を覚えてもらう意味も込め、一発芸を披露する(時間の都合上、却下されました)
 (2)送別会:
   ・転出者から部員にコメント(想い出、感謝)
   ・上司から転出者へコメント(想い出、感謝)
   ・花束、記念品の贈呈
 (3)昇進祝い:
   ・昇進者の紹介
   ・部長から昇進者へコメント(期待の言葉)
   ・昇進者から部員へコメント(意気込み、感謝)
3.当日に向けた段取りを確認し、準備を開始する
 プログラムを仮確定させた所で、段取りを組み、やっと準備に移りました。
 ここでは、共通事項、忘年会向け、送別会向け、昇進祝いというカテゴリに分け、それぞれ準備を進めました。
 (1)共通事項
    ①開催日
     最上位者である部長に候補日を確認し、転出者⇒昇進者の優先順で参加者の都合のいい日を確定。
      その後、部員に日程を通知。
     ※日程を確認する際、主賓の好みの食べ物や飲み物も確認しておくと二度手間にならない。
    ②会場の下見
     プログラムの開催に即したお店を選定。ネット等で候補に当たりを付け、2,3件の下見に行った。
      その際、お店の雰囲気やスライドの位置、内観、他グループとの離れ具合(声の届き方等)を確認。
    ③会場の仮予約
     ②の下見結果を元に先輩や上司と相談し、お店を確定したら仮予約を実施。
     部員数の8割程度の人数でお店に仮予約。
     その際、何日前までの本予約が必要かや、人数変更やキャンセル料の考え方等も確認しておく。
    ④出欠確認
     本予約までを期限に出欠数を取りまとめた。
    ⑤挨拶者の確認
     乾杯の挨拶等、コメントをいただく方には事前(前日まで)にお願いをした。
    ⑥席次の検討
     会社の慣習に合わせるといいが、男女や年次、主賓がなるべく偏らないようにした。
     また喫煙者が少なくない職場だったので、喫煙組はなるべく固め、嫌煙者が喫煙者とならないよう配慮した。
    ⑦会費
     転出者は0円とし、後は役職で傾斜をかけて会費を設定し上司にも念のため確認。
     職場のグループ別に事前徴収をお願いし、徴収忘れや当日のお釣対応などの手間を削減。
    ⑧当日のタイムテーブル(司会用)を作成
     乾杯(副部長)⇒歓談⇒昇進者の紹介⇒歓談⇒重大ニュース発表⇒歓談
     ⇒転出者挨拶⇒部長挨拶・〆の言葉⇒(余った時間は歓談時間)
     という段取りを組み、コメントいただく方には「だいたいこれくらいの時間に」という事前連絡をした。
    ⑨移動手段の確認、通知、手配
     職場から徒歩圏内のお店だったため、簡単に地図を作成し前日までに配布。
     緊急連絡先も記載した。
     自動車通勤の方もいたため、前日までに当日の電車通勤を依頼した。
    ⑩二次会の会場確保
     流れで二次会に行く可能性があるとのことで、事前予約はしなかったが、
     その場で手配ができるように5件ほどお店をリスト化しておいた。
     お店の名前、種類(バー、カラオケ等)、場所は最低限まとめておいた。
 (2)忘年会向け
    スライド(PPT)の作成
     当部ではその年にあった出来事(なるべく面白い出来事)を『重大ニュース』と称し、発表。
     そのネタ集めとして、若手を中心に出来事や写真収集に協力いただいた。
     集まった情報を元にPPT作成を実施。当日の発表者を決め、発表練習を一緒に行った。
 (3)送別会向け
    ①一言コメントの検討
     転出者を紹介する際の一言コメントを検討
    ②コメント依頼
     転出者とその上司にコメントの検討を依頼
    ③花束と送別品の手配
     お店近くまたは職場からお店の動線上で、花束を当日受け取れるお店に予約。
     送別品は転出者の仲良しを中心に検討依頼。
     当日、上司からのコメント後、仲良しから転出者に贈呈してもらえるよう依頼。
 (4)昇進祝い向け
    ①一言コメントの検討
     昇進者を紹介する際の一言コメントを検討
    ②コメント依頼
     昇進者、部長にコメントを依頼
4.そしていよいよ当日!
  先輩のご指導の下、細かい気配りができた結果、
  特段のトラブルもなく社会人として初めての忘年会を乗り切ることができました。
  (いま考えるとノープランだった当初の自分を殴ってやりたい、、、笑)


以上のような忘年会を経験を元に、私は自分の仕事の進め方を見つめ直しました。
今でも、当時のことが非常にためになっているなぁと度々思うことがあります。
仕事に活かす事ができた点を記します。


<忘年会から学ぶ、仕事の進め方ステップ>
1.あるべき姿(ゴール)を設定する
  どのような仕事をするにせよ、あるべき姿を検討することが第1ステップ。
  5W1Hを念頭に、何が、いつまでに、どうなっているべきかを予め確認し、設定する。
  ※チームで仕事をする上では特に重要で、予め認識を共通にしておくことで、「こんなはずじゃなかった」という事態を避ける。
2.大まかな仕事の流れを確認する
  まずはザックリと、あるべき姿(最終納期)に向けた仕事の流れを確認。
  その時点で計画に無理があれば、納期調整等を事前に実施する。
3.仕事を分解し、総量を把握する。
  特に忘年会から学んだ点です。
  2.で流れを大まかに分けたら、そこからカテゴリ別に更に細かく仕事を分解しました。
  先輩からの金科玉条として今でも肝に銘じている言葉がこの『分解』。
  「分けたら解ると書いて『分解』。分けられないなら、その仕事を理解していない証拠」
  2.⇒3.で、仕事を大まかな粒度から細かい粒度で洗出し、抜け漏れの確認を実施します。
4.細かい業務のステップ(制約条件)を確認する
  忘年会を例にするのであれば、「主賓の候補日が出ていること」が出欠確認の前提条件です。
  3.で洗い出した細かい仕事の前後関係を整理し、仕事の進める順番を決めます。
  ものづくりにおいて製造ラインの作業工程順を定めるイメージでしょうか。
5.作成した業務ステップに従い、業務を遂行し、進捗をフォローする
  全体像が掴めているので、あとは進捗を追うのみです。
  予め、業務の総量の把握ができているので、どこかで遅延が発生した場合、後への影響度をすぐに察知することができます。
  課題や遅れが発生した場合には、全体への影響を考え、迅速に関係者(上司等)に判断を仰ぎます。
  ※計画に変更が生じた場合には、その都度見直します。

この仕事の進め方で最も力を入れるべきはステップ3の仕事の分解、総量把握だと考えます。
業務の抜け漏れは後々のトラブル(仕様変更、大幅な手戻り)に繋がりかねない他、工数把握にも繋がりチーム編成の見直しにも繋がることでしょう。
一番やってはいけない仕事の進め方が、最終ゴールを定めず業務の洗出しもせずに、
とりあえず思い付いたタスクや目の前に降ってきた課題にとにかく注力することです。
よく上司や先輩はそういう仕事の進め方を「モグラ叩き」と言っていました。上手い表現ですね。

普段のちょっとした雑務からでも学ぶことは多いです。
それを生かすか殺すかは、その人次第。
社会人1年目の忘年会をきっかけに何事にも全力で、考えるようになり、スキルアップに繋がっていると思っています。
若手で忘年会の幹事を任されて「面倒くさい」と思ってる方も読者にいるかもしれませんが、
取組み方次第で自分の為にもなるので、創意工夫を凝らした忘年会を企画してみてはいかがでしょうか?

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