NEMミートアップ東京 20180128 LoyalCoinスピーチざっくり書き起こし

本日、東京でNEMのミートアップが開催されました。NEMファンにとっては色々と良い刺激を受けられたのではないでしょうか。個人的にはあまり情報が出回っていないLoyalCoinの話を聞けたのが嬉しかったです。

LoyalCoin は企業のポイントカードを暗号通貨に変えて、特定店舗だけじゃなくてあちこちで使えるようにすることを目指しているプロジェクトです。先日NEMと提携し、NEMモザイクを使って独自通貨のLYLを発行する予定です。

ミートアップではCEOのパトリック氏がゲスト登壇者としてプロジェクトの近況をあれこれ語ってくれていましたので、以下にその内容を箇条書きします。投資を検討している方は是非ご参考ください。

■LoyalCoin日本担当 川渡浩二氏の挨拶

・ざっくり経歴
　・13年くらい前に電子マネーの普及のためにフィリピンへ
　・そのあと富士通で働く
　・去年あたりから個人的に仮想通貨投資を始めてLoyalCoinに興味を持つ
　・ミートアップに参加してたらCEOのパトリックと意気投合
・LoyalCoinは企業のロイヤリティプログラム（ポイントカード）を
　ブロックチェーン化するプロジェクト
・日本市場での展開も検討しておりこれから東京オフィスを立ち上げる
・適切に法手続き進めつつ日本でLoyalCoinを普及させることをミッションとしている

■LoyalCoinCEOパトリック・ポール・パラシオス氏の挨拶

・簡単な経歴
　・IT業界で20年の経験がある
　・日本との絡みではNTTドコモのフィリピン拠点のコールセンター設置に関わった
・今日のアジェンダについて
　・ロイヤリティの問題点とLoyalCoinのビジョンについて
　・NEMを採用した理由とユースケースについて
　・LoyalCoinのエコシステムについて
　・チームメンバーについて
　・LoyalCoinが提供するデータ分析機能について
　・顧客（加盟店）について
　・海外での普及活動について
　・ロードマップについて

■ロイヤリティの問題点とLoyalCoinのビジョンについて

・既存のロイヤリティプログラムは以下の問題を抱えている
　・各店がそれぞれ発行して、ポイントカードが多すぎる。
　・仕組みがバラバラで複雑すぎる。
　・有効期限が決まっていて、他店では使えない。
　・カードを家に忘れたり溜まりきらなかったり、結局使わないことが多い

・以上のことからエンゲージメントを高くできない
　（企業と顧客との関係性を良くできていない）
・あらゆるポイントや仮想通貨をいつでもどこでも使えるようにすることを目指す

・例えばファミマで買い物をするとファミマポイントではなくLoyalCoinをもらえる
・LoyalCoin(LYL)での支払いに対応した他のお店で使える
・LYLを他の仮想通貨(例えばXEM)に変換すれば、XEM払いに対応したお店で使える

■NEMを採用した理由とユースケースについて

・もともとERC20(イーサリアム)を使っていたがパフォーマンスが低い
・NEMのCatapultならハイパフォーマンスが期待できる
・BTCは秒間6程度のトランザクション、ERC20は15、NEMなら4000
・ちなみに既存の電子決済プラットフォームであるPaypalは100程度
・つまり、NEMを使えば1日あたり何億ものトランザクションをカバーできる
・スーパーやホテル、コーヒーショップやガソリンスタンドなど
　業種を超えて様々な場面でサービスを展開できる
・パフォーマンスだけでなく送金コストもNEMが優れている

・LYLはNEMモザイクで発行する。
・NEM財団には技術面で様々なサポートを受けており感謝している

■LoyalCoinのエコシステムについて

パイロット版のウォレットアプリの実演(LYLでの支払い)

・ウォレットを起動するとGPSが稼働して
　LoyalCoinが使えたり貯めたりできる近隣の店がリストされる
・支払う時はQRコードをスキャン(BTC払いとかXEM払いと同じ)
・ウォレットにはLYLだけでなく日本円、BTC、ETH、XEMを入れられる
　・さらに仮想通貨間の変換も可能
・店で使うだけでなく友人や家族に贈ることもできる
・支払い機能だけでなく店側に設置する支払受付機能も用意している
　・システムはPOSと連携できる。(POSからシステムにAPIを叩く)
　・もしくは専用のタブレット端末にアプリを入れてスタンドアロンで稼働できる
・フィリピンを起点として他の国々にも展開していく

■チームメンバーについて

・2013年に創業して現在50名ほどのチームになっている
・そのうちの半分程度がソフトウェアプログラマ
・業務展開している国はフィリピン、タイ、カリフォルニア、ロサンゼルス、日本
・法的な対応が必要のため、元フィリピン中央銀行のマネーロンダリング対策部に
　在籍していたリチャードファンク氏がコンプライアンスを担当している
・リチャード氏は暗号化アプリケーションのライセンシングなど法的手続きを進めている
　・現在はフィリピン当局からの認可待ち。30日以内に認可が下りる見込み
・同様に、日本でも川渡氏が率いてライセンスチームを発足する

■LoyalCoinが提供するデータ分析機能について

・LoyalCoinのようなプロジェクトは他にもある(例えば楽天ポイントとか？)
・競合に対するLoyalCoinの強みは広範囲なデータ分析機能
　・店で一番買ってくれてる人は誰なのか、商品ごとでは誰か、など
・このデータを利用して顧客の再訪問を促すための訴求機能を持つ
　・よく買ってくれる人にいつもありがとうクーポンを贈ったり
　・誕生日におめでとうクーポンを贈ったり
　・しばらく来店してない人にご機嫌いかがクーポンを贈ったり
・こうした昨日は既存顧客にも満足してもらっている

■顧客(加盟店)について

・小売顧客数は3000以上。顧客の顧客、つまり消費者は200万人以上
・中にはファミマ、TGIフライデー、デニーズなど日本展開している企業もある
・タイ最大のバス会社にも導入。このバスに乗るとLoyalCoinがもらえる
・イギリスの電気自転車の販売会社にも導入。LYL払いなら10%割引で買える
・カナダで上場しているロイヤリティプログラムの会社Snippと提携
　・12/19に提携発表した途端、この会社の株価が55%上昇した
・アメリカのフォーチュン500社に入ってる企業とのパイロットも話を進めている

■海外での普及活動について

・ここ1,2ヶ月、LoyalCoinを普及するために世界各国を回っている
・NEMと提携し、ブースも共有するということでシンガポールを訪問した
・カリフォルニアのブロックチェーンEXPOにも参加した
・ロサンゼルスのスタートアップコンポジションに参加して1位をとった
・タイ、ニューヨークにも出向いて普及活動をこなった
・日本、ロシア、韓国、インド、アメリカのテレグラムチャンネルで約14000ユーザ
・FaceBookは45000のフォロワー

■ロードマップについて

・2017年10月にプレセールを行なった、12月にセキュリティ監査を行った
・来週には日本オフィスの賃貸契約を結ぶ
・ロサンゼルスの3つのレストランでトライアルを始める予定
・タイでのビジネス展開も順調。2018年の1Qにトライアルを始めらる想定
・2Qにはフィリピン以外の東南アジア進出、3Qにはヨーロッパ進出を計画している