スパイスは金にも戦争にもなる
先日、大航海時代を迎えたことで(振り返りはここから)、ヨーロッパでは、スパイスの利用が一般にも普及したところまでお話ししました。その昔、スパイスは高価で金のなる木だったのです。
しかし、
ヨーロッパという巨大な組織をもってしても、なかなか手に入らないスパイスがあるのです。
これらは、手に入る人が限られます(結局、権力やお金持ちのみ?)。
そこで、これらのスパイスを巡って、ヨーロッパ各国で争奪戦が始まり、激化されます。ヨーロッパだけで収まればよいものが、これらスパイスの産地が犠牲となります。これらのスパイスの産地は、東南アジア。自国でやればよいものを、戦場は、東南アジアとなるわけです。なんとも無様・・いつの日にも犠牲になるのは、関係のない弱い人間です。
スパイスを巡った争いは、
戦争はオランダが勝利し、モルッカ諸島は、一部を除き18世紀までの間、オランダが制しました。
そんなオランダ政権は、そう長くは続かず、突如として今まで参戦しなかったフランスが現れます。しかし、フランスは、戦争を申し出るのではなく、strong>知略をもってスパイスを手に入れることにしました。その知略とは、盗木 (それもどうかと思いますが・・)。オランダ官憲の目を盗み、クローブやナツメッグの木を盗み、フランス領域のマダガスカル島へ移植したのです。その後、南米や西インド諸島などへ移植を広げました。広い範囲でスパイスが栽培される、すなわち生産されることで、植民地政策は意味が薄れ、スパイス戦争は自然に終わりを迎えました。フランスが大人な対応?のようにも見えますが、う~ん小賢しいというか。結局、自国が潤えばよいという考えが透けて見えるのは私だけでしょうか。現代だともう少し平和的解決になるのかな、と思いはしましたが。戦争のことの発端って、ヨーロッパに限らず日本だって、しょうもないですよね(笑)