シェアリングエコノミーとブロックチェーンとの関わりについて

in blockchain •  6 years ago  (edited)

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みなさんこんにちは。
今回は私の関心のあるシェアサイクルサービスに伴う、シェアリングエコノミーとブロックチェーンについて解説します。

 

ブロックチェーンのユースケース

世の中でブロックチェーンのユースケースとして期待されるのは、民泊やシェアサイクルなどのシェアリングエコノミーへの応用です。経済産業省の報告書に記載されているブロックチェーンがもたらす社会変革の一つとして取り上げられています。


参照:経産省報告書 2016

 

airbnbがもたらしたシェアリングの普及


Airbnbは2008年にアメリカで開始された、誰でも空いた部屋を利用したい人に貸し出すことができるサービスです。これは共有経済の先駆けとも言われ、若い創業者が作ったスタートアップが社会現象になりました。

この後、米ウーバー・テクノロジーズのライドシェアやココナラのスキルシェアなどいろんなシェアリングサービスが登場しました。シェアリングエコノミーは2016年時点で、中国のシェアリングエコノミー市場は約65兆6700億円に達しているとも言われ、ドイツのメルケル首相のブレーンで経済評論家のジェレミー・リフキン氏は近著(『限界費用ゼロ社会〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭』NHK出版)で、「現在の資本主義経済は終焉を迎え、シェアリングエコノミーに移行する」といった主張を展開しているほどです。

 

現状のシェアリングサービスの問題点


これまでの経済では、企業がサービスの提供者となり、あらゆるサービスが企業の管理下に置かれていました。
例えばホテルやマンションの部屋は全て企業の管理下におかれ、予約するためのシステムや鍵の管理などはホテルとはまた異なるテクノロジー企業や特定の企業に管理されていました。

しかし、airbnbのようなシェアリングエコノミーの状況では、元々は貸主は第三者に提供することを想定していないので、例えば家の所有者とその家族には家の鍵を渡すが、もし全く関係ない第三者に一時的に家を使ってもらう場合、どのように鍵の管理を行うのでしょうか?この有体物としての鍵の存在が、サービスの電子化およびブロックチェーンの活用を妨げる要因になります。

シェアリングサービスもairbばかりでなく、ほぼ全てのシェアリングサービスは企業の管理下中央集権的に運用されています。
そんな状況下、利用しない資産と利用したい人をマッチングするにおいて、それ自体は技術的には難しくないですが、むしろ問題はその資産を利用する権利を利用したい人に付与する方法です。先ほどの鍵の授受の問題です。特に海外など外国では、異国で言葉も通じず、土地勘もわからないので、シェアリングサービスで問題なども起きやすいということがしばし発生します。

もし海外旅行で民泊した場合、鍵の場所や授受がうまくいかず、目的地の前で待ちぼうけなどということもあり得ます。
この場合は管理人の返信や対応を待つ他なく、苦汁を舐めることになりそうです。

こうしたコミュニケーションギャップを埋めて円滑に利用できるようにするには、極力人間の介在をミニマムに抑えることが大事です。

 

スマートキーを活用


ここでの解決提案は「スマートキー」により、有体物からデータに置き換えて人間の介在なく家を利用できるようにすることです。
スマートキーとは、文字通り有体物を利用しない電子錠のことです。例えば部屋のドアのシリンダー(「鍵穴」の部分)部分がラズパイなど小さなコンピュータに置き換わっており、ラズパイを仮想通貨のシステムにノードとして接続し、部屋を借りる人が部屋のドアを前にして例えばビットコインを送金し、ラズパイがドアへ送金を検知するとシリンダーが自動で回転してドアが開く仕組みです。

実はある企業が、2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が参議院にて可決成立て来年施行されることを受け、上記のようなコンセプトで「ブロックチェーン×民泊サービス」の開発を開始する動きも見せています。

参照:PRTIMES

 

ルール、規範作りの実装


仮想通貨の送金だけにブロックチェーンを活用するだけでなく、部屋を利用する人の評判を共有したり、あとは災害ない発生した際に、災害で家を失った人に優先的に貸し出すといった合意形成=ルールづくりもブロックチェーン上で実装することで、参加するノードは新しい規範をコピーとして実行することになります。

企業では利潤の最大化によってこのような行動を取るのが困難な場合がありますが、シェアリングエコノミーを推奨する住人の中には、遊休資産の活用とコミュニティへの貢献という非営利かつ信用と評価を考慮した社会的なユーザーが登場して、ブロックチェーンを活用して民意を反映させて実行する可能性が高まるかもしれません。

 

まとめ


9月の北海道地震や関西の台風被害などを見ていると、使われていない資産と、それを利用すべき人を繋げるシステムが一箇所に集中してなおかつそれが災害等で動かなくなる場合を想定すると、ブロックチェーンのような分散型のサーバー管理、そして現地で繋がってるノードだけでは不安定な場合に、別のノードが遠隔地でルール更新や実装作業を行い、支援ができる可能性もあります。

このようなレジリエントなシステムは、ケースバイケースで必要になることも間違い無いでしょう。

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